虚構に対する帰属意識の薄まり

国や宗教、村への帰属意識が薄めていったのが歴史だった。 複業の広まりや週休3日になっていくと企業への帰属意識も薄まっていく思う。 なぜなら、人間は目に見えない虚構を生み出し、共有するという力に長けている一方で、その虚構に対する帰属意識が薄まっていくという歴史を繰り返してきたから。 宗教が絶対の価値観だった時代も、国が絶対だった時代もある。 しかし全て変化した。 宗教や国の共通点は虚構であるということ。 人間が想像で作り出したものであって、不変ではない。 虚構を生み出し、共有することを可能にした「認知革命」により、我々サピエンスは発展した。その我々の歴史を紐解くのが、『サピエンス全史』でした。 私たちは、「いつ起きるのか」は予想はできない。 けれど、社会の方向性は予想できる。 宗教、国、そして企業への帰属意識の薄まりは避けられない流れだと思う。 一時的に、企業内運動会等の企業内交流を通じて流れに歯向かう動きもみられることも予想されるけれども、大きなトレンドに変わりはない。 では残るコミュニティーは何かと考えると、どの時代も変わらなかった「家族」なのだと思う。 今後は、家と家といった重い結婚でなく、もう少し緩い家族の形が増えていくのではないかとも考えが及ぶ。 ここまで人間の全体感に踏み込んで考えさせる本はなかなかない。